M&A仲介業には今のところ特別な資格が要らないと聞くと、「誰でも名乗れる仕事なら、依頼先を見極めるのは難しいのでは」と不安に感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。実はこの状況は変わりつつあり、中小企業庁が中小M&Aの担い手向けに新しい資格試験・登録制度の創設を進めています。今回は、その概要と、経営者側が押さえておきたいポイントを整理します。
なぜ今、M&A仲介に資格制度が必要とされているのか
後継者不在に悩む中小企業の増加を背景に、M&A仲介やファイナンシャルアドバイザー(FA)を利用する会社は年々増えています。その一方で、中小企業庁の情報提供窓口には、重要事項の説明が不十分だった、契約後に他社への相談を強く制限されたといった相談も寄せられており、支援の質にばらつきがあることが課題として指摘されてきました。
M&Aは経営者にとって一生に一度あるかどうかの重要な意思決定です。支援者側の専門知識や倫理観に差があると、譲渡価格や条件面で不利益を被るリスクにつながりかねません。こうした背景から、支援人材の質を底上げし、経営者が安心して相談先を選べる環境を整えることが、資格制度創設の狙いとされています。
「中小M&A資格試験」(仮称)とはどのような制度か
中小企業庁が検討している新制度は、M&A仲介・FA業務に携わる個人を対象とした試験と、合格後の登録制度を組み合わせたものです。2026年度(令和8年度)中の創設を目指して準備が進められており、試験は中小企業庁の委託を受けた民間の試験実施団体が運営する予定です。
試験科目は「M&A実務」「財務・税務」「法務」「倫理・行動規範」の4分野で構成される方向で検討されており、特に倫理・行動規範は配点の比重が大きく設定される見込みです。合格後は、一定期間ごとの講習受講などを条件に登録が維持される仕組みも想定されており、違反があった場合には氏名の公表や登録取消といった措置が検討されています。
既存の「M&A支援機関登録制度」との違い
中小企業庁はすでに2021年8月から、M&A仲介会社やFA会社を対象とした「M&A支援機関登録制度」を運用しています。今回検討されている新資格は、この既存制度とは対象のレベルが異なります。両者の関係を整理すると、次のようになります。
制度 | 対象 | 単位 | 開始時期 |
|---|---|---|---|
M&A支援機関登録制度 | M&A仲介会社・FA会社などの組織 | 組織単位 | 2021年8月〜(運用中) |
中小M&A資格試験・登録制度(仮称) | 仲介・FA業務に従事する個人 | 個人単位 | 2026年度創設を目指し準備中 |
つまり「会社として登録されているか」に加えて、「担当者個人が専門知識と倫理観を備えているか」までを可視化しようとする、二段構えの仕組みが目指されている形です。
資格は義務化されるのか
現時点で検討されている内容では、資格の取得はあくまで任意とされており、無資格でもM&A仲介・FA業務に従事すること自体は引き続き可能です。ただし、既存のM&A支援機関登録制度のガイドラインの中で、重要事項説明を資格保有者が行うことを求めるなど、両制度を連携させる案も検討されており、実務上のハードルとして機能していく可能性はあります。
制度の詳細は今後の検討状況によって変わり得るため、「義務ではないが、今後の実務標準になっていく可能性がある」という段階として捉えておくのが実情に近いといえます。
経営者が今のうちにできること
新しい資格制度が本格運用されるまでにはまだ時間がかかる見込みです。制度の完成を待つ必要はなく、現時点でも次のような点を確認することで、支援先の質をある程度見極めることができます。
- 中小企業庁の「M&A支援機関登録制度」に登録されている会社かどうか
- 重要事項説明(手数料体系や専任条項の有無など)を契約前にきちんと行っているか
- 担当者の実務経験や、担当体制(1人ではなく複数人で対応しているか)
- 料金ページなどで手数料体系が明確に開示されているか
スイスイM&Aの場合
スイスイM&Aは、中小企業庁認定のM&A支援機関として登録されており、中小M&Aガイドライン(第3版)の遵守を宣言しています。今回検討されている個人単位の新資格についても、制度の詳細が固まり次第、社内の体制整備に前向きに取り組んでいく方針です。お客様にはお一人につき担当2名以上の体制でご対応し、相談料・着手金・月額報酬・中間金はすべて0円、料率も譲渡価格に応じた明確な体系で公開しています。
「どこに相談すればよいか分からない」という段階でも構いません。まずは無料相談で、会社の状況や譲渡のご希望を気軽にお聞かせください。
