「子どもは継がない。従業員にも継げる人がいない。もう畳むしかないか」
ご相談の場でよく聞く言葉です。ただ、廃業を決める前に、比べておいたほうがいいことがあります。畳むにもお金がかかる、という事実です。
後継者がいないのは、あなただけではない
帝国データバンクの「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」によれば、国内企業の後継者不在率は50.1%。規模別に見ると、中小企業で51.2%、小規模企業では57.3%にのぼります。7年連続で改善はしているものの、規模が小さいほど後継者が決まっていない状況は続いています。
つまり、後継者不在は個別の事情というより、いま多くの経営者が同時に直面している構造的な問題です。だからこそ、第三者への承継(M&A)という選択肢が一般的になってきました。
廃業には、出ていくお金がある
会社や店舗を閉じるとき、次のような費用が発生します。
- 原状回復工事費——賃借している店舗・事務所は、内装を撤去してスケルトンに戻して返すのが原則です。規模によっては数百万円になります
- 設備の処分費——厨房機器やシャンプー台などは、売れずに廃棄費用がかかることもあります
- 解散・清算の手続き費用——法人の場合、登記や官報公告、専門家報酬が必要です
- 従業員への対応——解雇予告手当など
- 在庫・仕掛品の処分——買い叩かれるか、廃棄になります
加えて、閉店準備で営業を縮小している間も家賃と人件費は出ていきます。廃業は「ゼロで終わる」のではなく、マイナスで終わることが多い——これが実態です。
譲渡なら、その多くが逆になる
| 廃業 | 事業譲渡(M&A) |
|---|---|---|
お金の向き | 持ち出し | 対価を受け取る |
原状回復 | 必要 | 不要(居抜きで引き継ぐ) |
設備 | 処分費がかかる | 評価の対象になる |
従業員 | 職を失う | 雇用を引き継げる |
取引先・顧客 | 関係が途切れる | 取引が続く |
屋号・のれん | 消える | 受け継がれる |
必要な期間 | 数か月 | 数か月〜1年程度 |
とくに店舗ビジネスでは、原状回復費という「必ず出ていくお金」が発生しないだけでも差は大きくなります。
「うちみたいな規模でも買い手がつくのか」
つきます。むしろ小規模な店舗は、独立を考えている個人や、同業で店舗数を増やしたい事業者にとって、現実的に手が届く対象です。ゼロから出店するより安く、早く始められるからです。
赤字であっても同様です。買い手が見ているのは去年の損益ではなく、引き継いだあとに自分が出せる成果です。立地、常連客、スタッフ、設備、賃貸借条件——決算書に表れない部分に価値があります。
それでも廃業を選ぶべき場面
公平に書いておくと、譲渡が常に正解というわけではありません。
- 債務超過の程度が大きく、引き受け手が現実的に見込めない
- 事業がオーナーの資格や個人的な信用に完全に依存しており、切り離せない
- 賃貸借契約で譲渡が明確に禁じられ、貸主の承諾も得られない
- すでに営業を停止して長く、顧客も設備も散逸している
最後の項目は、時間の問題です。営業を続けている状態のほうが、譲渡の価値は圧倒的に高くなります。
迷っているうちが、いちばん動きやすい
譲渡は、相談から引き渡しまで数か月かかります。資金繰りが限界に近づくほど、相手も条件も選べなくなります。「まだ決めていない」段階でこそ、選択肢は多く残っています。
スイスイM&Aは、相談料・着手金0円の完全成功報酬制です。成約しなければ費用は一切いただきません。「廃業と譲渡、どちらがいいか比べたい」というご相談で構いません。秘密保持契約のもとで承りますので、従業員や取引先に伝わることはありません。
